永谷正樹の「俺の写真をパクるな!」その22・RAWデータを武器に裁判を戦うオレと、ライターデビューを果たした次男

 フードカメラマン兼ライター(株式会社つむぐ代表)の筆者と “写真泥棒” との戦い。今回は公私織り交ぜての最新事情。
nameken 2026.03.21
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 実は、ずっと私の拙ブログの読者様やSNSのフォロワー様、そして「なメ研」の会員様に黙っていたことがある。

 神奈川・川崎で暮らす25歳の次男のことだ。

 次男は新卒で入社した会社を辞めた。

 私自身、そんなことはまったく問題視していない。私も広告制作会社と編集プロダクションでの勤務経験から、会社員には向いていないことを痛感してフリーランスになった。

 次男はまだ20代。何度でもやり直すことができる。肝心なのは、自由に、好きなように生きることだ。

 

フードライターとして歩みだした次男

 会社を辞めてからは、ハードオフなどでレアなトレーディングカードなどを仕入れてメルカリなどで転売する、いわゆる「せどり」や、スキマバイトで食いつないでいたようだ。

 そこには働くことの喜びや、やり甲斐を感じることは一切なかったそうで、

 「毎日『自分はこのままでよいのか』って考えていた」と、次男。

 そうだ、その迷いこそが力になる。自問自答を繰り返す中で、第一歩を踏み出すときが必ず来る。

 昨年11月、帰省した次男が神妙な面持ちで私と女房にこう告げた。

 「フードライターになりたい」

 実は以前、ネットで私が記事と写真を提供しているグルメ情報誌『おとなの週末』編集部が編集補助スタッフを募集していることを知り、そのURLを次男に送ったことがある。とはいえ、それを決めるのは本人だ。決して無理強いはしなかった。

 それが1年以上前の話なので、決断するまで時間がかかった。それだけ真剣に考えていたのだと思う。

 次男は幼い頃から私と一緒に取材の下見でおいしいものを食べてきたせいか、今も食べ歩きが好きで、自分がおいしいと思った店へ友達を連れていくという。

 「友達も喜ぶし、お店の人からも喜ばれる。何よりも、紹介した自分が嬉しい。それを仕事としてできるのがライターだと思うから」と、次男。

 私はお世話になっている『おとなの週末』の編集担当、戎誠輝さんに経緯を話した。すると、

 「若い人が出版業界に興味を持ってくれて嬉しいです」と喜んでくださり、忙しい中、東京で次男と会ってくださった。そして、まずはwebのライターとして育ててくださることになった。

 

ライターとしての正攻法のプロセスを踏む

 とはいえ、私の息子だからといって、無条件に仕事がもらえるほど甘い世界ではない。まずは企画を提案し、それを通すところから始まる。

 次男にとっては、完全に未知の世界。企画の相談にのり、実際に私が書いた企画書も見せた。次男は見よう見まねで何本か企画書を書き、そのうちの1本が採用された。もちろん、企画書がそのまま通ったわけではない。戎さんと話し合いながら内容をブラッシュアップしたはずだ。そうしたやりとりも、これから企画を考えていく上で、きっと参考になったと思う。

 しかもありがたいことに、戎さんは次男に、取材先へアポを取り、取材・撮影をして記事を作成するよう指示してくださった。

 企画書提出→採用→アポ取り→取材・撮影→記事の執筆→入稿→校正・取材先に記事確認→公開、というのはwebメディアでも紙媒体でも同じことだが、一部のwebメディアはアポ取りと取材をすっ飛ばして記事を作成している。

 つまり、客に扮して店を訪ね、注文した料理を撮影して、食べた感想を記事にまとめる、という手法だ。店には記事公開の許可をもらうだけ。これではブロガーやインフルエンサーと変わらない。

 きちんとアポを取って、当事者から話を聞くのとは得られる情報量もまったく違う。記事を書くために必要な情報を取捨選択しなければならない。それがライターにとって大きな学びとなる。戎さんは、次男に取材で聞いた話をまとめて記事にするという、いわば正攻法のプロセスを踏ませてくれたのだ。

 そして3月5日(木)、『おとなの週末web』に次男が初めて取材・撮影した記事が公開された。

 そりゃ至らない点は多々あるし、記事が公開されるまで戎さんにも多大なる迷惑をかけしてしまったと思う。

 まだライターとしてスタートラインにたったばかりである。どうか皆様も温かい目で見守ってやってください。私も親として、先輩ライターとして、やれることはやってやろうと思っている。

 

広告写真の著作権は発注側にある、という暴論

 さて、告知するのを忘れてしまったが、3月23日(月)11時から名古屋地方裁判所で第2回期日の裁判が執り行われる。

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