関口威人のDoローカルニュース解説 ⑤愛西市議会議員の「居住実態」ってDoなってるの?
大量に情報が流通するネット社会の中で、埋もれがちなローカル情報の数々。それらを地元ジャーナリストの視点で掘り起こし、責任を持って詳しく、分かりやすくまとめて解説します。
今回は、愛知県西端の愛西(あいさい)市でくすぶり続けている市議会議員の「居住実態」、いわゆる「居住要件(住所要件)」の問題について当事者への取材を中心にまとめます。人口5万9000人余りの街の騒動ですが、どこででも起こり得る民主主義に関わる問題として一緒に考えていただければ幸いです。
目 次
・補選でトップ当選も市民から「居住実態ない」
・さらにベテラン含む2議員にも居住要件で異議
・権利濫用なら「よそ者に厳しい自治体」に?
・「なり手不足」解消と「厳格化」のせめぎあい

議員の「居住実態」問題がくすぶる愛西市議会が入る愛西市役所庁舎=5月19日、筆者撮影
補選でトップ当選も市民から「居住実態ない」
発端は昨年4月、愛西市議会議員の補欠選挙でトップ当選した無所属の永田千佳議員に「居住実態がない」と市民から異議申し出があったことからでした。
公職選挙法では、地方議員選挙の候補者は投開票までの3カ月間、その自治体に継続して住んでいなくてはならないと定められています。もともと隣接する稲沢市に住んでいた永田議員は立候補前から愛西市に住民票を移したり、家を借りたりはしていましたが、実際には住んでいなかったという指摘でした。
申し出を受けて同市選挙管理委員会が調査・審理をして昨年6月に永田議員の「当選無効」を決定。これを不服とした永田議員の審査申し立てを受けた愛知県選挙管理委員会も11月に同様の決定を下しました。ここまでは私もヤフーニュースとして書いてきました。
その後、永田議員は県選管決定の取り消しを求めて名古屋高裁に提訴しましたが、今年3月に請求は棄却されました。永田議員はさらに最高裁へ上告したため議員の身分は取り消されず、その間の今年4月26日に愛西市議会の通常選挙があり、定数18の議席に対して立候補した22人中16位で当選しました。
永田議員に対する取材内容については後述しますが、とにかくこの経緯だけでもややこしいのに、今回の選挙後、さらにややこしい事態が発生します。永田議員以外に、もう2人の当選議員にも「居住実態がない」と異議申し出があったのです。
