永谷正樹の「俺の写真をパクるな！」その13・相互フォローのライターさんもSNSで横行する写真泥棒の被害に！　犯人は有名グルメインフルエンサーで、しかも被害はこれで2回目!?

　製麺会社による写真の無断使用は、相変わらず膠着状態のまま。少しおさらいをしておくと、相手方は郵便局のふるさと小包での無断使用並びに無許可の加工（トリミング）と、自社のECサイトでの無断使用は認めているものの、ふるさと納税サイトでのそれは認めていない。

　写真を勝手に使われた私のクライアントが無断使用を指摘すると、相手方はふるさと納税サイトから画像をすぐに削除した。しかし、ネット上にはそのキャッシュが残っていて、Googleの画像検索でヒットしたのである。そこにはしっかりとふるさと納税サイトの名前と相手方の商品名が記されていた。

　そのスクショを証拠として眼の前に突きつけても、知らぬ存ぜぬを通しているのである。そりゃ賠償金を払いたくない気持ちはわかるが、もはやここまでくると人間性を疑ってしまう。そもそも何の縁もゆかりもない私の写真がなぜGoogleの画像検索でヒットするのか。それを説明するのは私ではなく、相手方だと思うのだが。

　私が代理人として委任した弁護士さんは、知財専門のとても優秀な方で、相手方弁護士との交渉はもちろんのこと、その都度、適切なアドバイスと方針を丁寧に示してくれた。ふるさと納税サイトでの写真無断使用についても、サイトの代理店や自治体に対して何度もやりとりをしてくれた。

　ところが、代理店も自治体もマトモに対応してもらえず、交渉は困難を極めた。とくに酷かったのは自治体で、回答期限を設けても無視を決め込んだ。直接電話で連絡をしても居留守を使う始末。責任から逃れたいのが見え見えであることに心底呆れた。

　こんな調子だったので時間だけが徒に過ぎていった。さすがにビジネスとして成り立たないと思ったのか、弁護士さんから「これ以上の交渉は難しい」と告げられた。こうなれば、また自分で訴状を書いたり、裁判所へ行って少額訴訟の手続きをしたりせねばならない。Googleの画像検索でヒットした画像のスクショを裁判所に証拠となり得るのかを判断してもらうのだ。もう、私に残された方法はそれしかないと覚悟を決めていたら、

「ふるさと納税サイトの法務部に話をして、何らかのフィードバックと提案をもらえるようにしました」

と、弁護士さんから連絡があった。

　ふるさと納税サイトもコンプライアンスの遵守を求められるだろうから、誠意ある回答を期待しているが、同時に裏切られることも覚悟はしている。まぁ、納得のいく回答が得られなかった場合は、その精神的苦痛も加味して相手方に責任を取ってもらうしかない。悪いのはふるさと納税サイトでもなければ、代理店や自治体でもない。写真をパクッた製麺会社なのだから。

　さて、話は変わるが、先日、Xを見ていたら、相互フォローの関係にある「名古屋グルメ探偵 アスカイ」さん（以下、アスカイさん）が撮影した写真を名古屋で有名なグルメインフルエンサーに無断で使用されたというポストを見た。

　やはり、SNS上では写真の無断使用が横行しているのだ。しかも、パクッたのはフォロワー数が何十万人もいるインフルエンサーって。私も「名古屋オタク」という動画配信者にwebメディアで紹介した「うま屋ラーメン」のチャーハンの写真を動画内で無断使用されたことがある。

　これまで武士の情けで名前を伏せてやっていたが、コイツは「直接電話で謝罪します」というメッセージを送っておきながら、約束を破って逃げたので、今後は機会があるごとに名前を晒すことにする。名誉毀損で私を訴えたければ訴えればよい。私は「名古屋オタクに写真を無断使用された」という事実を述べているにすぎないのだから。

　アスカイさんも私と同じ目に遭っていると思うと同情を禁じえない。じっくりと話を聞いて、記事にしたいと思った。彼とはまったく面識がなかったが、XのDMで連絡を取ると、取材に快く応じてくださった。