永谷正樹の「俺の写真をパクるな!」その18・Uber Eatsと出前館の出店店舗がヤラかした! しかも、Uber Eatsの言い分は「当事者間で」
フザケた店名とパクリ写真で構成されたwebページ
「ナガヤさん、これ、見てくださいよ!」と、キレ気味にスマホの画面を私に向けたのは、名古屋市千種区大久手にある味噌煮込みうどんが有名な『大久手山本屋』の5代目で専務の青木裕典さん。
それはフードデリバリー、Uber Eatsに出店している味噌煮込みうどん店のwebページだった。その名も『山尾家総本店』。
『山本屋総本家』のパクリだろうけど、思いつきで決めたとしか考えられないようなこのクオリティの低さはいったい何なんだ(笑)。
『山本屋総本家』と『山本屋本店』、『大久手山本屋』、『山本屋町田』、『山本屋今池』と、山本屋だけでもややこしいのに、微妙すぎる名称の山尾家まで参入してカオスのような状況になってしまった。
パロディとしてやっているのであれば、もっと、こう、ヒネリがほしいところであるが、ページをスクロールしていくうちに、まったく笑えなくなった。
Uber Eats「山尾家総本店」のwebページ。写真右がトップページでサムネイルに使われているのは山本屋本店からパクった写真
私が撮影した「山本屋大久手店」の写真
なんと、デリバリーのメニューページに私が撮影した写真を使ってやがったのだ。
「他の写真もパクっていると思うんですよ」と、青木さん。
そこで『山尾家総本店』が使用している写真をGoogleの画像検索にかけてみると、『山本屋本店』が公式サイトなどで使用している写真であることがわかった。
もう、完全に「クロ」じゃん。さらに調べてみると、フードデリバリーの出前館にも出店していて、そこでも私の写真を無断使用していた。しかも、出前館にはもう一つ別の店も出店していた。
その名も『山尾家総本家』。総本店と総本家を巧みに使い分けているのである。総本家のページには私の写真は使われていなかったものの、おそらく掲載されている写真はすべてパクリ。悪質としか言いようがない。
出前館「山尾家総本店」のwebページ
Uber Eatsと出前館に書かれている店の所在地は、名古屋市中区丸の内1-2-31。この住所を検索すると、有限会社オーディーエーが運営するサブスク型のシェアキッチン『Cloud Eats Kitchens 丸の内店』がヒットする。
おそらく、ここで味噌煮込みうどんを作っていて、有限会社オーディーエーは場所を貸しているだけだと思われる。結局、『山尾家総本店』の電話番号やメールアドレスがわからないので、抗議しようにもできない。
そもそもUber Eatsと出前館にも責任の一端はある。この2社が写真のチェックを怠っていなければこんなことにはならなかったはずだ。そこで公式サイトの問い合わせフォームから連絡をとることにした。
ところが、問い合わせフォームには注文した料理やデリバリーのスタッフへのクレーム対応を受け付けているものの、写真の無断使用についてはカテゴリーそのものが存在しない。Uber Eatsも出前館も出店している店が写真をパクるはずがないと思っているのだ。その認識が甘すぎるから、提出された写真をノーチェックで公開してしまうことになるのがわからないのだろうか。
Uber Eatsと出前館、それぞれの対応の違いは国柄?
仕方がないので、Uber Eatsにはまったく関係のないカテゴリーから、出前館には問い合わせフォームのその他のお問い合わせから連絡をとった。それが10月7日(火)で、送ったメッセージは以下の通り。
愛知県で写真撮影の業務を行っております、永谷正樹と申します。
昨夜、私のクライアントである名古屋市千種区『山本屋大久手店』から、「Uber Eatsと出前館へ出店している店が当店のHPの写真を無断使用している」との報告を受けました。送られたURLを開くと、『名古屋名物!本格味噌煮込みうどん 山尾家総本店』なる店舗のHPでした。
その中の、「固茹で!本格!味噌煮込みうどん(麺150g)」に使用されている写真は、平成28年8月8日に『山本屋大久手店』から依頼を受けて、私が撮影したものであり、私が著作権者であります。
現在、同店のHPには写真は使われておりませんが、同店の桜通大津分店のFacebookページでは今も使用しています。
https://www.facebook.com/yamamotoyasakura
『名古屋名物!本格味噌煮込みうどん』山尾家総本店の行為は、明確な著作権侵害であります。直ちに写真を削除するとともに謝罪と写真の使用料を求めます。
出前館からの返信は翌日の10月8日(水)で、内容は以下の通り。