永谷正樹の「俺の写真をパクるな!」その21・反論書を書き、そして地裁の法廷に立った雑文書きのオレ

 フードカメラマン兼ライター(株式会社つむぐ代表)の筆者と “写真泥棒” との戦い。新たな裁判の呆れた展開と新たな覚悟についてです。
nameken 2026.02.21
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 私はライターとして文章を書くことを生業にしている。とはいえ、高尚な文章とは無縁だ。「中学2年生でも読める」ことを意識して、読みやすさを心がけてきた。自分で言うのもなんだが、雑文書きである。

 そんな私が、裁判所に提出する「反論書」を書くことになった。まったく、人生、何が起こるかわかりゃしない。

 

反論書を書きながら込み上げてくる怒り

 反論書とは、私が提出した訴状に対する、相手方の答弁書への再反論である。訴状はまだいい。不法行為を整理して、事実を書けばいいのだから。しかし、反論書となると違う。相手の主張一つ一つを読み込み、証拠の一つ一つを精査して、「それは違う」と論理で返さなければならないのだ。

 私は法律の素人だ。反論書のテンプレも知らない。判例を検索し、法律用語を調べ、慣れない言い回しに頭を抱えながら、一行ずつ書いた。だが、そもそも話は単純なのである。

・写真は私が撮影した。

・被告は無断で使用した。

・証拠は提出済み。

 それだけだ。ところが相手方は、こう主張している。

 

原告が本件写真の著作権者であるとは限らない。

撮影を依頼した店舗に著作権が帰属している可能性がある。

 

 は?である。

 著作権は創作した者に発生する。これが原則だ。私とクライアントの間に著作権譲渡契約書など存在しない。あるはずもない。費用を払ったら著作権が移る? そんな雑な理屈が通るなら、日本中のクリエイターは今すぐ廃業であろう。

 この妄想とも言うべき “可能性論” のおかげで、簡易裁判所で済むはずの案件は地方裁判所へ。コトを大きくしているのは、どう見ても向こうだ。

 さらに、弁護士費用についてもこう書いてある。

 

本件は当事者間で解決可能であった事案であり、弁護士費用相当額を損害とするのは相当でない。

 

 それなら、最初に謝れ。無断使用が発覚した後、私には何の連絡もなかった。写真の使用者であるクライアントには謝罪したらしいが、著作権者である私には皆無。

 「謝罪は済んでいると思っていた」、「ナガヤさんは店の関係者だと思っていた」だと。

 思っていた、では済まない。確認もせず、連絡もせず、勝手に写真を使い、勝手に解釈し、そして今は「弁護士費用は認められない」ときたもんだ。

 

私が作成した反論書。相手方からの反論書のテンプレを参考にした

私が作成した反論書。相手方からの反論書のテンプレを参考にした

 だから私は反論書を書いた。27ページの判例も読んだ。法律の文章と格闘しながら、「本件とは違うだろう」と赤を入れる。雑文書きの私が、裁判所に提出する書面を必死に整えた。その間も仕事は待ってくれない。朝から晩まで撮影し、現像し、納品する。眠い。疲れる。だが、やるしかない。

 

徹底抗戦の覚悟ができた

 そして2月19日。名古屋地方裁判所で第1回目の裁判。

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