永谷正樹の「俺の写真をパクるな!」その24【最終回】 写真泥棒との戦いが終わったあと、私は「言葉の責任」について考えた

某製麺会社との著作権裁判で和解が成立したのは、4月20日のこと。そして23日、裁判所から「第3回弁論準備手続調書(和解)」なる文書が届いた。
解決金は30万円。
この金額を高いと感じるか、低いと感じるかは人それぞれだろう。ただ、ここに至るまでに、写真の無断使用が発覚してから5年4か月を要していること、示談交渉を弁護士に依頼していること、さらに裁判所へ納める訴訟費用も発生していることは知っておいてほしい。
著作権裁判が終わって見えた解決金30万円の現実
訴訟費用は請求額によって決まり、今回、私が請求した76万円に対する印紙代は8000円、切手代は7700円。合計1万5700円となる。
「訴訟費用は被告負担では?」と思う人もいるかもしれないが、それは判決の場合の話。和解には適用されないため、この費用は私持ちである。
さらに、示談交渉を依頼した弁護士費用もある。着手金は22万円(税込)。示談交渉は決裂したため成功報酬は発生していないが、それでも解決金30万円から訴訟費用と弁護士費用を差し引けば、手元に残る金額は決して多くない。
実際には、別件の示談交渉費用との按分もあるため多少前後するが、それでも「儲かった」と言えるような話ではない。
何やってんだという話になるでしょ(笑)。
ちなみに、もし訴訟代理人として弁護士に依頼していた場合、着手金は33万円。そこからさらに成功報酬も発生するので、完全に赤字だったと思う。
つまり、この裁判でいちばん得をしたのは、相手方の弁護士かもしれない。
もっとも、私が守りたかったのは金ではない。自分のブランドであり、プロが撮影した写真の価値だ。
だから、この5年4か月に1ミリの後悔もない。
とはいえ、和解が成立したからといって、すぐに気持ちが晴れたわけではなかった。
和解調書によると、解決金の支払い期限は5月20日。とはいえ、会社には締め日や支払日もあるだろうから、4月24日か30日には振り込まれると思っていた。
ところが、音沙汰なし。
まぁ、相手方にしてみれば、これほど支払いたくない金もないだろう。それは分かる。だが、裁判で金額も支払期限も納得した上で和解したのだから、そこはきちんとしてもらわねば困る。
正直、このままバックレられても、ライターの性で「それはそれでネタになるな」と思っていた。
そのときは地獄の果てまで追いかけて、きっちり取り立てるつもりだったけどね(笑)。
そして先日、口座を確認すると、きちんと振り込まれていた。
これでようやく、本当に終わった。
解決金は弁護士費用や裁判費用など、これまでかかった経費に充てるつもりだが、何かおいしいものを食べようと思う。
5年4か月、写真泥棒と戦い続けた自分へのささやかなご褒美である。
お疲れさま、オレ。
そう思っていた矢先、今度は「言葉」を巡る問題が起きた。