関口威人の災害取材ノート・能登半島地震「県ボラ」体験記

 1泊2日、本気でボランティアしてきました。
なごやメディア研究会 2024.04.14
サポートメンバー限定

 発生から3カ月半が経とうとしている能登半島地震。被災地には多くの倒壊家屋が手付かずのまま残り、一方でボランティアや「人」の少なさが指摘されています。

 ボランティアをするにはいくつもルートがある、というか元々やりたければ誰でもどんな方法でも自発的にやるのがボランティアですが、昨今は良い意味で洗練、悪い意味で統制・管理されてきました。

 今回の能登半島地震では、最も正式なルートである石川県主体のボランティア体制(いわゆる「県ボラ」)がどうなっているのか、僕も分からないことだらけで、これは自分で体験してみるしかないだろうと登録してこの11日(木)、12日(金)にかけて行ってきました。

 県の災害対策ボランティア本部には取材を兼ねると伝えて了解をもらい、後日ヤフーニュースにまとめますが、まずはメモ的にありのままをお伝えできればと思います。

穴水町の旧校舎を活用したベースキャンプから出発するボランティアバス。ここから珠洲市や能登町での活動に向かいました

穴水町の旧校舎を活用したベースキャンプから出発するボランティアバス。ここから珠洲市や能登町での活動に向かいました

たまたま残り枠の多かった日程で申し込み

 まず、僕は4回目の能登取材を終えた後の3月5日、県ボラのサイトでボランティアの事前登録をしました。

 すると、1週間後ぐらいからボランティア募集情報がメールで届くようになりました。その翌週からの約1週間、「日帰り」と「1泊2日型」のボランティアを募集するという内容です。

※注・4月15日以降の活動から1泊2日型がなくなり「前泊型」となりました

 日帰りは輪島市、七尾市、志賀町で、1泊2日型は珠洲市、能登町、穴水町で。それぞれ申し込み用のGoogleフォームがあり、メールが来た翌日の正午から先着順で受け付けを開始するという形。僕は1月2日以来通い続けている能登町を特に支援したいという思いから、1泊2日型の能登町での活動を狙いました。

 ただ、最初のうちは早めにフォームを開いたつもりでも40人の定員はすぐ埋まってしまったらしく「受付は終了しました」と出るばかり。他の地域も同様で、そのうち小まめにチェックするのを諦めてしまうようになりました。

 そんな中でふと3月21日からの募集フォームを見てみると、まだいくつか残り枠のある日程が。特に4月11−12日分は残り「17人」とかなり多め。自分の予定と照らし合わせても行ける日程だったので、急ぎ申し込みをしました。

 ちなみに現地で他の参加者に聞くと、登録していたのに情報メールが届かず(ちゃんと迷惑メールもチェックしたのに……と言っていました)、県本部に直接電話したところ「この日程(4月11−12日)なら空いている」と教えられ、地域にこだわりはなかったのでその場で登録してもらったという人もいました。

 やはり新年度の始まりとGWに挟まれた時期は人が少なくなってしまうようです。

今回、僕が申し込めたのは金沢発着、穴水町のベースキャンプ泊で能登町で活動する日程でした(県ボラのサイトから、赤線は加筆)

今回、僕が申し込めたのは金沢発着、穴水町のベースキャンプ泊で能登町で活動する日程でした(県ボラのサイトから、赤線は加筆)

原則「撮影禁止、SNS投稿禁止」だが…

 とにかくこうして無事に受け付けされ、その日までに注意事項や用意すべきものなどの確認メールが送られてくるようになりました。持ち物については随時書きますが、手続き的にはボランティア活動保険にWEBで加入、そして前述した通り取材を兼ねてよいかという確認を本部にしました。

 ここが重要なので詳しく書きますと、この活動の撮影や発信について、表向きホームページやメールには何も記されていません。

 ところが、現地に行って分かったのですが口頭やその場の資料、張り紙などで「写真や動画の撮影はご遠慮ください。SNSでの発信はやめてください」と繰り返し伝えられます。

 トラブルを避けるために仕方ない面はありますが、やっぱりこれが情報の出てこない原因なのだと思い知らされました。

 僕は本業がライターで、これまでもボランティア同行取材を何度もして発信してきた経験から「記録や発信もボランティア活動の大事な要素」と認識しており、被災者や他の活動者には十分配慮するので取材を兼ねた参加を認めてほしいというお願い文を本部宛てに書きました。

 ちなみに本部からのメールには直通の電話番号などの問い合わせ先が見当たらなかったので、単純にメールに返信する形でお願いの文章を出したのですが、3、4日経っても返事が来ません。

 そこでホームページの問い合わせフォームから同内容を送ったところ、その日のうちに(これまで届いていたのとは別のメールアカウントから)返事が来ました。

 そこには、僕の伝えた内容の範囲で被災者の気持ちに十分配慮すれば、記録に残すことは差し支えないと記されていました。「ボランティア活動中は作業に集中してほしい」とも書かれていたので、僕は写真を撮るにしてもiPhoneだけでと割り切り、活動を最優先にして持ち物選びなどの準備を進めました。

今回用意した荷物。いつも持っていくカメラや望遠レンズなどは一切入れず、1泊2日、宿泊場所と2食付きなのでこの程度で収まりました。寝袋は必要なのでスーツケースに詰め込みました

今回用意した荷物。いつも持っていくカメラや望遠レンズなどは一切入れず、1泊2日、宿泊場所と2食付きなのでこの程度で収まりました。寝袋は必要なのでスーツケースに詰め込みました

名古屋から夜行バスで集合3時間半前に金沢着

 11日の集合時間は「金沢駅前に午前8時35分」だったので、僕は前日に名古屋から夜行バスで行くことにしました。

 午後10時40分に名古屋駅を出発すると、金沢駅到着は朝5時過ぎ。そうすると集合まで3時間以上も駅前で時間をつぶさなければなりません。まあ、そこはなんとかなるだろうと思いました。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、7820文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
コミュニティ財団って、もうダメなのかなぁ? その①・何が起こっているの...
サポートメンバー限定
僕はなぜ「アキラさん」の記事を書いたのか・関口威人の「フリー日和 (⌒...
サポートメンバー限定
もう我慢ならん! 裁判沙汰にまでなった独立後最大の金銭トラブル・関口威...
誰でも
能登半島地震「発災から100日」見届けた渾身の写真展【なメール2024...
サポートメンバー限定
「書く福祉」のライターとして独立して、今こそ「遍路」へ・石黒好美の「3...
誰でも
能登復興のキーパーソンと名古屋で語ろう!【なメール2024年4月号】
サポートメンバー限定
僕が18年前に「育休」を取ってその後会社を辞めたわけ・関口威人の「フリ...
サポートメンバー限定
会社を辞めて福祉の世界に入ったら「草の根ささえあいプロジェクト」がすご...