永谷正樹の「俺の写真をパクるな!」その8・振り込まれた賠償金と暴かれたウソ

 フードカメラマン兼ライター(株式会社つむぐ代表)の筆者と “写真泥棒” との戦いは、一難去ってまた一難…。
nameken 2025.01.18
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 グルメ情報サイトなどに私が撮影した写真を無断使用していた居酒屋運営会社との闘いは、11月末に名古屋簡易裁判所で行われた少額裁判で和解という形で幕を閉じた。裁判では、2024年12月27日までに賠償金を私の銀行口座に振り込むことで合意した。

和解したものの、賠償金を払ってくれるのか?

  とはいえ、一抹の不安はあった。何しろ、弁護士からの連絡を悉く無視してきた相手である。本当に支払ってくれるのだろうかと思うのは仕方がない。もしも期日までに入金がなかったら、ナニワ金融道かミナミの帝王ばりに弁護士に鬼詰めしてやろうと覚悟していた。

 これまでお世話になった弁護士の先生に少額裁判で和解した旨を報告すると、

「判決を無視する会社もいますが、期限少し前にしか払ってこないことは多いです。期限当日の会社などもあったりします。そんなこわい橋を渡るのかなと思いますが、そういう会社だからこそ期限ぎりぎりにしか対応しない、という見方もできますし、支払うことに納得できていない感情から、ぎりぎりまで払わない会社もあると思います。年末まで落ち着かないお気持ちかもしれません。会社内の支払締めに合わせて払う会社もありますので、給与賞与の時期、10日、15日、25日などの支払になる可能性もあるかもしれません。無事、入金されることを祈念しております」と、やはり先生も同じことを懸念されていた。

 12月10日頃に口座を確認すると、5日に見知らぬ会社からの入金があった。どこだろう?と思って、会社名をよく見ると、例の居酒屋運営会社だったことに気がついた。きちんと支払ってくれたのだ。その瞬間、ずっと張り詰めていた糸が切れたようにPCの前でへたり込んだ。長かった闘いがやっと終わったのだ。

 賠償金は新しいレンズの購入費に充てた。料理撮影の際にメインとして使う望遠のズームレンズだ。賠償金を生活費や遊興費に使いたくないという思いがあった。日常的に使用する機材であれば、それを見るたびに写真をパクられた悔しさや憤りを思い出すことになる。

 嫌な気分になるのは間違いない。しかし、この屈辱は絶対に忘れてはならないという自分自身への戒め……じゃないな。私に過失はないのだから。決意だな。カメラマンとしての決意。その証をカタチに残そうと考えて、レンズを買うことにしたのだ。

ふるさと納税サイトでの無断使用の証拠を紛失!

 さて、写真の無断使用で弁護士を交えて示談交渉している案件は、残り1つになった。3年前に通販のチラシと自社のECサイト、そして、ふるさと納税サイトに使用する写真をパクった製麺会社がそれだ。

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