アジア大会、炎上と宴のあと/熊本給水支援に黄信号/中電からノーベル賞まで【なメール2026年10月号】

なんだかなあという思いが募ります。
nameken 2026.10.10
誰でも

愛知・名古屋アジア競技大会で連日「ここだけは盛り上がった」と言われたメダリストセレブレーションの会場だった名古屋テレビ塔(中部電力ミライタワー)前も、閉幕2日後にはステージなどが撤去されてひっそりとしていた=10月6日、関口威人撮影

愛知・名古屋アジア競技大会で連日「ここだけは盛り上がった」と言われたメダリストセレブレーションの会場だった名古屋テレビ塔(中部電力ミライタワー)前も、閉幕2日後にはステージなどが撤去されてひっそりとしていた=10月6日、関口威人撮影

◎「グダグダ運営」の根深い背景とは?

 先月のニュースレター配信から2週間後の9月19日、愛知・名古屋アジア競技大会が開会しました。大半の人は大会そのものよりも、運営にトラブルやミス、批判が相次いだ“炎上”でその存在を知ったことでしょう。

 私・関口も誘致段階からさまざまな問題を感じていたことは過去に書いた通りですが、実際に開幕して、これほどの体たらくを世界中にさらけ出してしまうとは思いませんでした。

 ただ、私自身は過去のアジア大会や国際スポーツイベントの現場を知っているわけではありません。今回は会期中の取材パスが取れず、熊本や能登の取材もあって競技を見に行くこともできませんでした。(むしろ来週から始まるパラ大会は見に行こうと思っています)

 そこで、閉幕前日の10月3日に以下のようなお題でスレッド(会員限定掲示板)を立てたところ、実際に現場取材をしたスポーツライターやカメラマンなどの皆さんから、かなり詳細で生々しい実態を書き込んでもらえました。

(画像をクリックするとスレッドのページに移動します)

(画像をクリックするとスレッドのページに移動します)

 そのおかげで、やはりこれはなかなか根が深く、愛知・名古屋だけの問題ではないことが分かりました。例のフランス系企業のこともありますが、それだけが原因とも言えません。ぜひ皆さんも現場の実態から、今回の“炎上”の本質について考えていただければと思います。

 ちなみに、閉幕後に内外で波紋を呼んでいる「来てほしくなかった」発言は完全に大村知事の人間性や県庁の体制の問題であり、それはそれとしてしっかり追及していくつもりです。

◎国・県・市の「3すくみ」が浮き彫りに

 先月お伝えしたことではもう一つ、熊本の給水ボランティアについて、関口が3回目の現地取材をして記事にまとめました。

 こちらもさまざまな問題がありますが、国(内閣府、国交省)・県(熊本県)・市(八代市)への取材で分かったのは、行政特有の「公平性」と制度の壁によって、それぞれが3すくみ状態に陥ってしまっていることでした。

 そこを大きな政治的決断によって一点突破してもらえればいいのですが、なかなか難しい状況です。私の記事も、正直あまり広く読んでもらえてはいません。ぜひ少しでも多くシェアなどしていただけると助かります。

 ちなみに、なメ研の取材費補助額は、8月の総会で今年度から1人年間6万円まで(昨年度は5万円)に引き上げていただきましたが、熊本取材は1回行くだけでほぼ上限に達してしまいます。そこで関口は2回目以降は自腹で行き、3回目取材に同行してもらった加藤直人カメラマンは純粋なボランティアとして動く(それによって高速代無料措置を適用する)などしています。

 一人のライターの目線で名古屋から能登、熊本へと、全国紙も簡単にはできない県域を超えた継続取材。AI任せでは絶対に書けない、現場を踏んで裏取りを尽くした記事。これらを成り立たせるためには皆さんのご支援が欠かせません。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

◎生配信は関係づくりと情報集めの成果

 先月は中部電力の社長・会長会見を生配信。原発への信頼を根底から崩したデータ不正による経営トップの辞任表明に関心は高く、ヤフーニュースのプッシュ配信で一斉告知され、YouTubeではどのメディアよりも多く視聴されました。中部電力の会見には浜岡原発が停止した2011年から関口が唯一のフリー記者としてコツコツと通い続け、15年を経てその成果が表れた形となりました。音声は元メーテレの中村幸徳さんにお願いしました。

 また、ノーベル賞では、これまで名古屋エリアに有力候補がいないとされてきた生理学・医学賞の分野で今年、「小胞体ストレス応答」の原理を解明した森和俊氏が京都大から名城大に研究拠点を移したことを受け、我々も初めて同賞発表日に待機することに。その10月5日は関口が能登出張だったため、夏目健司カメラマンに名城大でスタンバイしてもらいました。

 結果は受賞ならず。6日の物理学賞は「ネオジム磁石」の開発者である大同特殊鋼の佐川眞人氏、7日の化学賞は「カーボンナノチューブ」を発見した名城大の飯島澄男氏の受賞を見込んで関口がそれぞれ待機。結局、佐川氏も飯島氏も受賞はなりませんでしたが、化学賞で東京理科大の硤合憲三氏が受賞したのは周知の通り。まだまだ日本には受賞に値する研究者が多いのだなあと実感し、来年も同様に待機することになりそうです。

 ただ、待機するといっても、日頃の関係づくりや情報集めを怠ることはできません。的確な時に、的確な場所から生の情報をお届けできるよう、引き続き各所の皆さんにお世話になろうかと思います。重ねて、どうぞよろしくお願いいたします。

 代表理事・関口威人(ジャーナリスト)

 理事・川柳まさ裕(カメラマン、スタジオアージェント、羽島市議会議員)

 理事・三浦マリ(スタジオアージェント)

 supported by 図書出版 風媒社

 supported by 月刊東海財界

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