【新連載】永谷正樹の「俺の写真をパクるな!」その1・泥棒の見つけ方

 フードカメラマン兼ライター(株式会社つむぐ代表)の筆者と “写真泥棒” との戦いの記録です。
せきぐち 2024.06.08
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コスパやタイパ重視で劣化するメディア

 仕事が雑誌やムック本などの紙媒体からwebメディアにシフトして久しい。webメディアの場合、取材にカメラマンが同行するケースは稀で、ライターがスマホで撮影することがほとんどだと聞く。今はライターに撮影スキルが求められる時代なのである。

 とはいえ、そのクオリティはプロのカメラマンには到底敵わないのは火を見るよりも明らかで、結果、個人ブログに毛が生えたようなクオリティの低い記事が量産されている。コスパやタイパを重視してカメラマンをスポイルした結果がこれだ。

 飲食店取材の場合、現場に足を運ばずに電話やメールで店の人とやりとりして記事を書くライターもいると聞く。写真は店のHPやメニューブック用に撮影したものを借りるらしい。この手法はwebメディアに限ったことではなく、紙媒体でもよくある。

 効率を求めた結果、つまらない誌面となり、ますます売れなくなる。自分で自分の首を絞めているのだ。実際に私も複数のwebメディアに記事と写真を提供していて、ギャラとして振り込まれるのは原稿料のみ。写真を撮影しても原稿料の中に撮影料が含まれるのである。

 取材先から写真を借りるのはまだマシな方で、中には取材もせず、ネットで検索した情報を基に書き、写真はインスタや食べログ、個人ブログなどから「引用」しているクズメディアも存在する。いわゆる「こたつ記事」にカテゴライズされるが、記事を書いている(まとめている?)ライターは、はたしてライターと呼べるのだろうか? 私は絶対に認めたくない。

写真が無断使用される背景とプロセス

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