写真週刊誌の記者が地方議員になって入院…川柳まさ裕の、まさかの闘病記①
緊急入院することになった羽島市民病院で、絶食や各種検査が続いてぐったりする中でも愛用のカメラを手放さない筆者(6月1日、病院関係者撮影)
胃のあたりの不調が始まったのは今年の2月ごろだった。
岐阜県羽島市議会議員として3選を目指す統一地方選も近づき、印刷物の手配をしたり、自身の公約やプロフィールを載せたリーフレットをポスティングしたり。そして、任期最後にあたる3月議会の準備に向け、忙しく飛び回っていた。
胃腸の不調など、そんな忙しさと選挙前のストレスからくる「神経性胃炎」だと、かかりつけ医の診断のとおりに信じていた。
正月明けには選挙戦や再任期に備え、体調を点検しておこうと「胃の内視鏡」検査を含む健康診断をうけてもいた。結果「(胃に)良性のポリープがあるも異常なし」といわれていたから、神経性、いわゆるストレスが原因による胃腸の不調と感じていたのはなおさらのことである。
3月に入って、より忙しくなった。印刷物の作成や立候補関係の手続きはどうということもなかったが、一番の悩みは「人と党」だった。過去の選挙でも手伝ってくれて、今回も手を貸してほしい方の都合がつかない。初めて「党」の看板を背負う選挙に、党の関係者や労働団体の方々と、地元の人たちをはじめとするかつての支援者の方々にどう役割を分配し、選挙戦を戦い抜くか。初めての難しいやりくりが相次ぎ、いろいろ悩み苦しんでいた。
まさに「胃が痛い」の例えが現実になった状況で、多発する痛みに対して、これまで長期に服用していた胃潰瘍治療薬である「ネキシウム」から、タケダの新型「タケキャブ」に処方が代わり、胃がすっきりするガストローム顆粒も加えながら選挙戦に突入していった。
4月16日、選挙戦がスタートした。
前回(2019年)は定数18に対して19名が立候補するという、無投票に近いような選挙だった。対して、今回は8名の新人を含む24名が立候補し、「維新」 や32歳の新人が立候補するという乱戦になった。
今ふり返れば「相手が見えない選挙」だったが、結果は前回の「号外」でお伝えした通りだ。
一夜が明けると、相次ぐ「おめでとう」の声で、また当選を実感した。身体の疲れがスーッと抜けていく。そして、あらゆるストレスから解き放されるかと思っていたのもつかの間…。
入院中の病室から見えた伊吹山の後方を照らす夕焼け(5月19日、筆者撮影)