川柳まさ裕の「写真週刊誌の記者が地方議員になるまで」④

なメ研理事で報道写真家の川柳まさ裕が、地方議員になった経緯と思いを赤裸々に綴ります。
nameken 2023.02.18
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 地方の市議会議員選挙は告示日から一週間後の投票日まで。統一地方選にならび日曜日から始まり日曜日に終わる。

 初の選挙戦も3日目を迎えると心も落ち着いてくるものだ。選挙カーの出発時に「さあ、いくぞ!!」と互いを高め合うためにかけあっていた言葉も「今日も行きますか」となる。

 落ち着いてくると、いままで気がつかなかったことが見えてくる。そのひとつが他の候補の動きである。

河村流の「本人」のノボリ旗を掲げて市内中を走り回る筆者(2011年4月、支援者撮影)

河村流の「本人」のノボリ旗を掲げて市内中を走り回る筆者(2011年4月、支援者撮影)

 わずか人口7万人弱(2011年当時)の自治体でも、羽島市の面積は広い。いきなり立候補を決めた電撃候補の私には「地盤」というものは存在しない。だから、南北に長い上から下まで、とにかく、広く、遠くまで走り回っていた。

 市内全域を走っていたので、どの候補がどこに「本陣」(選挙事務所)を構え、どんな選挙戦をしているか。また、幸いにも私の自宅兼選挙事務所のすぐ横には「竹鼻別院」という巨大なフジの花が咲く名所があって、ちょうど選挙戦の最中は “フジの満開” と重なり、事務所のまわりは花見の観光客で賑わっていた。

 人出のあるところには候補者の選挙カーも次々と訪れることとなり、事務所の近くで「街頭演説」を始める。候補者ごとに「どんなことを主張し、演説するのか」。事務所で待機している記者仲間も「記録」を手伝ってくれて、たいへん参考になった。

 また、当時は18人の定数に22人の候補者が立候補していた。だから、21台の選挙カーが代わる代わる来るはずと見えたが、一度も来ない候補者が数名いた。

 後にわかったことだけれど「地元だけをしっかり固める」という戦術をとる候補者がいたことだ。得票数は限られるが「安心・確実」な選挙があることも実感した。

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