僕の「伝わる」文章術 「〜が」と「すること」編・関口威人の「フリー日和 (⌒∇⌒)□」その11
前回、建築学生から新聞記者を目指した経緯について少しだけ触れました。
文章を書くのが好きだった…というよりも、昔から極端な口ベタなので、文字で伝える方が伝わったというのが正直なところ。
口で一生懸命に説明したつもりでも、ぜんぜんダメ。メールで書いたら一発で伝わってるよ(笑)みたいなことが経験としても、快感としてもどんどん蓄積されていったんでしょうね。
そして11年間の新聞記者生活を経て、今はフリーとして16年目。自分でモノを書きつつ、プロからアマまでいろんな人の文章を見る機会が増え、たまに文章講座などもさせてもらうようになりました。
そこで自分なりに「伝わる」文章術を整理してきましたので、プロの皆さんには言わずもがなの部分はあるかとは思いますが、いくつかの例を紹介させてもらおうと思います。
「伝えたい」ものを研ぎ澄ます
まず大前提として、伝えるためには「伝えたい」ものがなくてはなりません。
これを選んだり決めたりするのが、できそうでできないことなんですよね。
取材記事であれば、普通は取材したこと=伝えたいことなので、スムーズにいきそうな気がします。でも、単なる文字起こしの仕事でなければ、聞いた話のうちの何が核心なのか、あるいはいくつもの素材をどう選び抜くのかなど、いろいろ迷っているうちに手が止まってしまいます。
そういうときの解決方法の1つは「書きながら考えていく」ことだろうと思います。このニュースレターでの僕の一連の記事はいつもそんな感じです(^^;)
もう1つは「取材をし尽くす」こと。これは相手やテーマによりますが、1回のインタビューでは聞き切れなかったことを(申し訳ないと思いつつ)電話やメールであらためて確認する。その過程によって相手が本当に伝えたいことや、こちらが伝えるべきことが見えてくる。あるいは別の人に意見を聞いて「そういうことか」と分かる場合もあるでしょう。
ノンフィクションライターの野村進さんは、原稿を書くための「ペン・シャープナー」を用意していると明かしています。
文字通りでは「鉛筆削り」ですが、この場合は「文章のカンを鈍らせないために読む本や、原稿を書く前に読むお気に入りの文章」のことだそうです。
野村さんは山本周五郎や宇野千代などの文章を抜粋して自分なりの「ペン・シャープナー手帳」を作り、好きなところをパラっとめくってから自分の原稿を書き始めるとのこと。(『調べる技術・書く技術』講談社現代新書)
作家やエッセイストならそれでいいでしょう。一方で、取材記者の場合は「取材したネタ」がペン・シャープナーになり得ると思います。
いろんな角度からネタを集めて研ぎ澄まし、最後にトッキントッキン(名古屋弁です)になったところで一気に書き始める。
そんな仕事ができれば理想ですよね…。

野村進さんを参考に作ってみた「ペン・シャープナー」。宇野千代の「毎日書くのだ。(中略)書けるときに書き、書けないときに休むというのではない。書けない、と思うときにも机の前に座るのだ」という一文を書き出してみました…。
曖昧な「〜が」でつなげない
さて、次からはテクニックの部分に入ります。